対エネルギー防御に関する考察
≪矢よけ≫と≪陽光撃≫で書いたように、ほとんどの射撃呪文は「擬似的な実体」で厳密な「エネルギーによる攻撃」ではないらしいのですが、ではGURPSにおける「エネルギーによる攻撃」とは、実際のところどのようなものなのでしょうか?≪エネルギー屈折≫の場合について考えてみました。
火霊系呪文の≪エネルギー屈折≫はエネルギーによる攻撃を逸らします。
しかしベーシックのコラム「防御の限定」を見ると、「エネルギー攻撃(例えばビーム兵器、電気、火、熱および冷気、音)」とあります。ビーム兵器、電気、火等の「焼きダメージ」を与える攻撃や、冷気のような「火の対極」の攻撃を防げるのはまだわかります。しかし「音」というのはなんだかノリが違いそうです。突き詰めれば振動の操作である*1という事も言えそうですが、それならば音声系呪文が≪エネルギー屈折≫の前提に入るか、或いは音声系と火霊系の関連を示唆する記述があってもよさそうです。ここには「エネルギーによる攻撃」に対する意識に差があるように思われます。
そこで、どこまでを「≪エネルギー屈折≫が防ぎうるエネルギーによる攻撃」とするかを規定しなければなりません。参考に他の「エネルギーによる攻撃を防ぐ」呪文を見てみましょう。
- ≪防熱≫・・・≪エネルギー屈折≫と同じ火霊系呪文です。炎・熱を防ぎ、消費エネルギーによって防げる熱量に差があります。
- ≪防電≫・・・風霊系、または天候系の呪文です。
- ≪防音≫・・・音声系呪文です。現在のところ、音声系のダメージ呪文は≪爆裂衝球≫くらいしかありませんが、有効なのでしょうか・・・?
このように、熱エネルギー・電気エネルギー・音エネルギーはそれぞれ別の系統に属しており、それぞれ個別に防御手段が提供されています。この内、電気エネルギーは(少なくとも魔法大全の呪文では)焼きダメージ(≒熱によるダメージ)に帰結するため熱エネルギーに対する防御で防げてもよさそうですが、音エネルギー(叩きダメージと朦朧とさせる効果)は別枠に思われます。これからすると、≪エネルギー屈折≫が防ぐのは、「主に熱による焼きダメージを与える攻撃」であり、音による攻撃は含まないものと考えるのが妥当でしょう。
もちろん世界によっては、音による攻撃も防げる≪エネルギー屈折≫や、あらゆるエネルギーを防げる≪エネルギー屈折≫があり得ます。しかし混乱を防ぐため、名称のアレンジや「エネルギーによる攻撃」の再定義*2は必須となるでしょうね。