特徴で盾を再現する

GURPSベーシック4版では、「受動防御」が廃止されましたが、盾はDBによって防御の成功率を上げてくれます。しかし、これを直接表現できる特徴はありません。何故でしょうか?


そもそも盾とは何なのか。端的に言えば、盾とは「持ち運びできる壁」です。これはキャラクターに対して「遮蔽」として働きますが、動かせるので敵の攻撃にペナルティを与える=受動的に働く代わりに、キャラクター自身の防御にボーナスを与える=能動的に働くのです。

これを特徴であらわすためには、盾が与える「遮蔽DR」の効果を得るため、「防護点」を使うことになります。体から離れていることを示す「フォースフィールド」、能動防御に成功した時だけ有効になるために「能動防御(Active Deffence, POWERS112)」の限定もつけます。盾によるDBは、「正確(Reliable, POWERS109)」の増強を使えばよいでしょう。盾は向けている方向にしか効果がありませんから「指向性」の限定も必要です。

ここではミディアム・シールドを例にしてみます。この盾はDB+2を与えます。防護点は7、HPは40なので、遮蔽DRは11点です。この盾の効果を特徴にしてみると、以下のようになります。

ミディアム・シールド(−30%)[39CP(38.5)]

  • 防護点11(フォースフィールド、+20%;能動防御、−40%;正面のみ、−20%;正確+2、+10%)

これをラージ・シールドやスモール・シールドにしても、さほど必要CPは変わらないでしょう。盾の本当の価値は「どれだけ持ちこたえてくれるか」なのかもしれません。

しかし別の計算もできます。
「強化止め(盾)」「強化よけ」「強化受け(全て)」を組み合わせれば、ストレートにDBを表現できそうです。ただしこの場合遮蔽DRは得られないので、別途、各種能動防御を行えるようにしておかなければなりません。DB+1あたり30点になります。(<クローク>を使う時にも有効な「完全なDB」であれば、+1あたり35CPです。)「指向性」の限定がCPを減らしてくれますが、「能動防御」の限定は使えないことに注意してください(もちろん、もともと能動防御時にしか意味がないからです。)

…GMによっては上記2種類の組み合わせが必要と考えるかもしれません(防護点の「正確」をはずし、強化防御でDBを賦与することになります。)


さてここまで、「盾のDBを特徴によって得る」方法を紹介してきたわけですが、「盾そのもの」を再現する場合、実に簡単な方法があります。それは、「発明品」にする事です。「発明品」の耐久力には、ベースとなる特徴は無関係です。これは修正率だけで決まります。特典レベルの特徴に「発明品」をつければ、それはすでに盾+αの特徴になり得るのです。
要するに、「持ち運びできるほど小さな壁一枚を所持する」ことに必要なCPはそれほど小さいということなのです。これは戦闘において便利ではありますが、重く、壊れる可能性があるほぼ消耗品です。「専用アイテム」に1CPも支払えば十分です。(大抵の場合、1CPを現金化すれば、何枚も盾を買うことができるでしょう・笑)しかし、「身についたDB」は壊れることもなく、恒久的に身を守ってくれるので、その価値は高くなります。
DBを与える特徴を「発明品」にするとかなり安くすることができますが、品物を「盾」にしてもあまりうれしいことにはならないでしょう。(品物自体からもさらにDBと遮蔽DRが得られるでしょうから有用ではあるでしょうが、それだけ盾への被弾も多くなりますので、すぐ壊れてしまうでしょう。)「壊れない発明品である盾」はもちろん壊れることなくDBと遮蔽DRを提供してくれますが、その場合当然ながら、壊れない盾が与えてくれるDBと遮蔽DRに対してCPを支払わなければならないでしょう。


まとめ

  • 普通の盾は「専用アイテム」で十分。
  • 壊れないDBや遮蔽DRはそれなりに高価。